チェストプレスマシン。おそらくジムに通った事がある方であれば、使った事があるトレーニングマシンじゃないでしょうか。
誰もが使った事があるという事は、比較的簡単に使えるマシンという事だと思います。
今回は、そんな簡単に使えちゃうからこその課題感とその課題の解決策を探っていきたいと思います。
基本だけど結構重要 ~シートの高さ~
まずは、シートの高さを調節します。
基本は、バストトップと同じ高さにバーが来るようにシートの高さを調節します。
基本はそうですが、目的に応じて高さを調節します。
例えば、
- シートを低くして胸の上部を鍛えたり
既に夏シーズンですが、シャツから見える胸の上部を鍛えてキレイ/カッコいいボディーを目指すのであれば、シートを低めに調節して胸の上部を鍛えたり。
#ただ、この胸の上部を鍛えるのって結構難しくて、例えば、ウェイトが重すぎると肩が動員されやすくなるので、(胸の上部のトレーニングとしては)非効率、という・・また別の話です。
あと、肩が痛い方はこのポジションはキツイ。
まずは自分の肩がどこまで上がり、そのまま前に水平展開して、痛くない肩のレベルを確認しておいた方が良いと思います。
- 逆に、シートを高くして胸の下部を鍛えたり。
胸の下部は、(男性の場合)全体的な胸のボリュームをデカく見せる事ができるという効果があります。
胸の上部を鍛えた方が、確かに「カッコよい」胸に見えますが、胸の下部も鍛えてある程度全体的なボリュームを出しつつの上部の「カッコ良さ」だと思います。
課題感
っで、そのチェストプレスマシンの課題感です。
マシントレーニングの最大の難点(”安全”という利点でもありますが)は、軌道が固定されているという事です。
結果、何が起きるかというと、マシンの軌道に合わせて動かすものだとしてしまう=考えない、という感じになっちゃうような気がします。
実際、マシンの軌道は固定されていて、その軌道上しかバーを動かせないので、マシンの軌道に合わせて動かすのは当然かもしれませんが、課題としてケアすべきなのは、「そうしてしまう=考えない」という状態だと思います。
別の言い方をすると、マシンが定めた軌道で体を動かしているわけですが、筋肉は、マシンから指示されて動いているわけではありません。
指示を出しているのは、自分の脳であるという事です。
脳(神経系)からの電気的信号に基づいて、筋肉が制御されるわけです。
つまり、マシントレーニングの効果を最大化する為に重要になるのは、マシンが定めた軌道で、如何に人間的な工夫を加えるか、という所だと思います。
コツ
では、チェストプレスマシンを使って、どのように工夫をするのか、手と意識についてのコツになります。
まず手についてですが、
- バーを強く握らない事
手のひらの親指側(拇指球)の所にバーを当てて軽く握る。強く握っちゃうと無駄に上腕に意識がいってしまうのでできるだけ軽く握る事を意識しています。
っというか、私は握っていません・・・が、マシントレーニングといえど、安全第一ですから、サムアラウンド(親指をバーの下にかけて)をおススメします。
- 胸の鍛えたい箇所に応じて手のどの部分でバーを押すか変化を付ける
例えば、胸の中央に効かせたいのであれば、手のひらの内側(親指側)で押す。
逆に外側に効かせたいのであれば、外側(小指側)で押す。
ダンベル系のトレーニングでも同じで、例えばダンベルプレスでトップまで挙上する時に、ダンベルを握った手をまっすぐ上げるのか、それとも内側に絞るのかで大胸筋の効いてくる箇所が違ってきます。内側に絞る、つまり胸を寄せるイメージで、手首を若干外に傾けると大胸筋の中央部に効いてきます。
- バーを曲げる
不可能な話ですが、イメージです。
イメージしやすくする為の私の秘策は、目をつぶる、です。
目から入ってくる情報ってもの凄くて、(安全面上重要な事ですが)場合によっては、筋トレにおいてかなり邪魔なモノになります。
ですので、目をつぶり、筋肉の動きを意識しながら、バーを中央に寄せる感じで前に押します。
このイメージができるだけで、かなり違うと思います。
- 引いて押す
チェストプレス系のトレーニングをする際の最大のコツになるんじゃないかと思っています。
上手く表現出来ませんが、プレスの運動は、「押す」ではなくて「引いて押す」という事になります。
押すものだという事で無意識にやっている場合、ウェイトが増せば増すほど腕(上腕三頭筋)の運動になりがちです。
引く動作は、伸張性筋活動といって、
筋力 < 負荷
のりっぱな筋活動の一つになります。
引く動作=休むではないという事になります。
それに、その「引いてから」の意識があると押す動作の時に、腕ではなく、背中でシートを押すという感覚がつかみやすくなります。こうすることで、運動単位を上腕三頭筋ではなく、大胸筋からもってきやすくなります。
あいかわらず表現が拙いですか、とりあえず、プレス動作は、「引く」事から始まるという事を意識してみたら良いかもしれません。
まとめ
チェストプレストレーニングについて、「肩甲骨を寄せて~」、という事が良く言われますが、ピンとこない時があります。できないかもしれないし、できたとしてもマニュアル的行動になってしまい、ラーニング要素が生まれにくいと思っています。
また、チェストプレスマシンは、使いやすさの為、どうしても人の意識が「押す」という部分に集中しがちです。これに対してもっともわかりやすい(かつショッキングな)アドバイスは、「押す」の反対の「引く」に意識を集中する、という事です。
「引く」に意識を集中させると、「引く」動作がゆっくりになり、その間に次の「押す」動作での意識の持って行き方を整理しやすくなるような気がしています。
因みに、マインドマッスルコネクションってご存知でしょうか?
効かせたい筋肉を意識して筋トレすると筋トレパフォーマンス/効果が向上する、という話です。
これに加えて、特にマシントレーニングで重要になるのは、環境(マシン)との融合。
つまり、「マインド」と「マッスル」に加えて「マシン」とのコラボレーション/コネクションを高めるという事で、
3MC or 3M
(Mind, Muscle, and Machine connection/collaboration)
とでも言いましょうか。
#勝手に名前つけちゃいました。 なんでしょう。造語を作るくせがあります・・・
基本的なマシンの使い方を覚えたとしても、マシントレーニング道は、長く、逆に、神経系をマスターすれば、どんなマシンでもバリエーション豊かなトレーニングができるという事だと思います。
っという事で、単純なチェストプレスマシンでも奥が深い、とうい話でした。